コンビニ店員の長い呪文を解決したい

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僕のお昼はファミリーマート

あと5分。時計が11時55分を指しているのを見ながら、数時間同じ姿勢のままでいたことを認識し、座ったまま体を伸ばし、あらゆる筋肉の緊張をほぐす。この5分でできることは何か。まだかまだかと心では思うが、表情には出さず、昼からの仕事の準備をやる。5、4、3、2、1。チャイムが鳴る。ふー。足早に職場を後にする。昼休み。僕は決まって近くのファミリーマートに赴く。早くいかないと、この時間はすぐレジが混むから僕はいつもチャイムと同時に動き出す。ー本当は1時間の昼休みを1時間丸ごと休みたいという理由もあるが。

入ると決まってなる音楽。いつも流れているラジオ。いつも食べているサラダとおにぎりを持ってレジに向かう。店員の人は僕と同年代の人だろう。毎日のように来る僕を労うように笑顔で対応してくれる。僕も労うように優しく対応しようと商品を手渡す。

「おにぎりは温めますか?」「いいえ。」「レジ袋はご利用されますか?」「いいえ。」「○円になります。」「○○ペイで」「かしこまりました。ポイントカードはよろしいですか?」「大丈夫です。」「レシートはどうされますか?」「必要ありません。」「ありがとうございました。」

毎日利用しているから多分僕がおにぎりを温めないことやレジ袋を使わないこと、現金で払わないことなどは承知のことでそれでもマニュアルだからだろう、毎日このやりとりをしている。だが、僕の後ろに並ぶ長蛇の列や店員さんの忙しそうな様子を見るといつもどうにかならんものかなと思ってしまう。この呪文のように長い台詞を無くして無詠唱にしたいものだ。

この間、久しぶりにセブンイレブンに行った。レジに行くと店員さんが商品のバーコードを読み取り、決済は自分のタッチパネルで行うのだ。これはいい。だがまだ、レジ袋の有無は口頭での確認だった。むしろ、僕は言わないでいいのではないかとも思う。でも、マニュアルなんだろう。

まず、コンビニは全ての店舗でタッチパネルでの決済要領を取り入れるべきだと思う。そしたらあんな長い呪文は必要ない。箸やおしぼりレジ袋は欲しいやつが自分から言うようにしよう。わざわざ店員から聞かれて決めるな。これだけで解決すると思う。だからどうかセブンイレブン以外のコンビニの上層部の方は、セブンイレブンに足を運んでほしい。そして導入して欲しいと思う。せめて僕の職場の近くのファミリーマートだけでいいから。

効率と癒し

ここで問題となってくるのが、コンビニ店員の必要の可否だろう。レジの対応はスムーズになるが、その分、店員の仕事を奪うことになってしまう。もうコンビニに店員なんていらない、なんて言い出す人も多くなるだろう。それでも僕はあのコンビニ店員にいて欲しい。確かに僕は、あの呪文のやりとりしかしていない。むしろそれを無くそうとしている。でも、毎日あの笑顔を見るだけで「お疲れ様」と言われているみたいに思える。あの呪文がなくなることで、日常の会話ができるかもしれない。このご時世、人との交流も少なくなってきた今だからこそ、そんなちょっとした出会いだけは残していただけたらと思う。

「いつもありがとうございます。調子はどうですか?」「ぼちぼちです。そちらはどうですか?」「ぼちぼちです。それではまたお越しください。」「また。」

そんな呪文ならいいのになあ。

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